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●ウイルス●

 ●ウイルスについて

植物への感染が知られているウイルスは現在把握されているものにあわせて、変異や同系異種などの、未だ同定・分類されていない未確認のウイルスを含めると、膨大な量の種類があるのではないかと言われています。

ウイルスにも様々な性格があるようで、感染しても病徴を全くあらわさないか極微細なもの、毒性が弱く感染後に自然消滅してしまうもの、自らの病徴を示さずに、細菌や糸状菌による病害を助長するもの、その他のウイルスとの重複感染により猛威をふるうもの、逆にその他の病害を抑制するもの(生物防除因子=ヴァイロコントロール因子)など、その多様性に驚かされます。

また、植物は動物と異なり、ウイルスや細菌を直接攻撃する免疫細胞を持っていませんが、感染した細胞を自ら死滅させて、病原体の拡散を阻止する独特の免疫メカニズムを持っている植物もあるようです。そしてそのメカニズムは、細菌に対してと、ウイルスに対してでは、それぞれ異なる方法を取るとのことです。

つまり、植物によっては、ウイルスとの付き合いを前提にした内部構造を有しているという事ですので、これは大変興味深い事だと思いました。

特に他に病害を抑制するウイルスというのは、いわゆる善玉菌みたいな存在ともとれますので、植物に感染するウイルスが、全て悪であるという単純な図式があてはまらないことになります。

たくさんのウイルスが、もともと自然界には存在するのだとしたら、植物の栽培を通して認知された代表的なウイルスのいくつかは、たまたま垣間見えた、自然の摂理の一端に過ぎないのではないかと思います。

それでも、自然のフィールドに比べれば、圧倒的に狭い空間である温室でランを栽培していると、ウイルスの存在は、やはり気になる問題です。

Restrepiaの葉を観察していても、細菌性とも、糸状菌による症状ともとれないような斑点などが見られる場合があります。特にそのような症状が比較的見受けられるのは、antennifera種で、葉の表裏に独特の黒斑症状が現れやすいように思います。

そこで、専門機関に相談の上、Restrepiaの葉の検鏡検査を依頼したことがあるのですが、その結果、たいへん疑わしいと感じていたantenniferaの症状についてはウィルスフリーでした。他の、葉の汚いRestrepiaについてもウイルスは検出されず、そのかわり、バクテリアが多数検出されたのみでした。

洋ラン界では有名な、CyMV(シンビジュームモザイクウィルス)及びORSV(オドントグロッサムリングスポットウィルス)についても診断薬を取り寄せ、試しにまとまった数の株の検査を行ったところ、偶然かもしれませんが、陽性反応が出た個体はひとつもありませんでした。現在のところRestrepiaに深刻な病徴を示すようなウイルスを意識するような事はほぼありません。もしかすると栽培株の中には、潜んでいるウイルスがマスクされた状態のものがあるかもしれませんが、特に何かの悪さをしているわけでもないので、大して気にしないでいます。それでも、生育に影響を与えるものや、葉や花の鑑賞価値を損なうものについて、全く見かけないわけではないので、そのような株は、発見次第対応を検討します。

 










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◆レストレピア栽培記録・南米高地原産の不思議な蘭の花◆